2019年8月15日木曜日

ラブクラフト全集読書中

ブログを更新しないまま1年が経とうとしてるし、最後にホモセックスしてから3年が経とうとしています。
ババアまみれの職場と虫(むしって打とうとして虫が本当に無理なのか7回もむりって打ってしまった)まみれの賃貸でなんとか正気を保つために相変わらず小説が役立っています。
特にブラッドボーンをプレイ→ラブクラフト全集に手を出す流れは王道。ブラボ自体クトゥルフボーンみたいなもんだし。

ラブクラフト全集は翻訳がどうとか、読みづらいとかいうふうに聞いていたけど多分ラノベしか読まないうえ漫画とかアニメで名前だけクトゥルフを知ってた天パ眼鏡童貞がそのような評価を下したものと思います。古代ギリシャ哲学とかどいちゅっちゅ哲学とか読んだら発狂死するんじゃなかろうか。いずれにしても、活字に慣れてるのであれば全く問題はないのでご安心を。

とりあえず感想自体は随所で述べて行きたのだ。全集とあるとおりケツまで非常に遠いため最後に感想を書いていたらそれだけで一冊書けてしまう。とりあえずふわっと感想を書いていきたいと思います。さあまずは『インスマスの影』。

インスマスの影はブラッドボーンでいうところのヤーナム(よそ者にクソ冷たいカス田舎者のスラム街という共通点)、あるいは漁村、上位者や旧支配者(海、あるいは深海からやってくる)なんかが酷似……酷似っていうかそのへんの設定を拝借した感じ。そもそもインスマスの影はラブクラフト全集のアタマに相応しい作品、忍殺でいうところのキルゾーン・スモトリくらいその作品全体のカリカチュア足らしめている。ちょっとした逃走劇があるって点では特殊だけど。

追記:インスマスの住人は人ならざる者であり、二足歩行ではあるが海洋生物を思い起こさせる身の毛もよだつ顔面をしている。これについてはセイキンをイメージしていただきたい。

とある街の噂から始まって街の様々な異常性、刻々と昏さを増す影、おお、このいつの間にか追い詰められていく感覚が素晴らしい!ミステリーの一面を持ちながらホラーの側面も具えているがこれは簡単なことではない。探索パートと会話パート、おお、この会話パートは本当にぞくぞくとする。きちがひを思わせるアル中ジジイの言うことには、ただの異常者の独り言と片付けることのできない、なにか魅力が、真実味があった。それはインスマスの秘密。そして……ああ、あまり詳しくは言えないけれどこのジジイが突如旧支配者の名を叫び、崇拝し、発狂してしまった時はまたぐらがいきりたつほどだった。少なくとも翻訳がどうとかは思わなかったし、むしろ素晴らしいものだった。オタクは馬鹿だな。

この作品の興味深いのはラブクラフトの作品に色濃い"血"の恐怖である。自分もどうやらその異常者どもと変わらなかったと判明するところの気持ちよさは異常。これは日本人にはあまりない感覚かもしれないが、特にアメリカ人であるラブクラフトにとってはらしいといえばらしいもの。そしてそれをじわじわと匂わせる筆致はエロそのものだった。ちなみに他の作品でも自分が最後には異常者だったとか、怪物と同じ血を継いでしまっているとかがまぁまぁあった。いわゆる信用できない語り手というやつだ。語り手である主人公が狂っていた、犯人だったというのはアガサ・クリスティのアクロイド殺しで有名だが、日本でいえば夢野久作のドグラ・マグラなどでも見られる。あとオタク向けにいえば幻聴や錯覚のたぐいはひぐらしのなく頃にとかでもある。ある意味幻聴や幻覚は語り手にとっての真実なのだから仕方がない。こういうの、すきだよ。

クトゥルフ神話とは名ばかりで、ミステリーの裏に蠢く全く人智の及ばぬ圧倒的な力、宇宙悪夢的支配者の数々、狂気はもうなんかめっちゃ気持ちいい。単純に読み物として面白いのもあるが、名前の聞いたことがある旧支配者や発狂する人々、またなぜか表現(宇宙悪夢とか)が出るたびにやにやしてしまう。まだ全集1しか読んでないがこのまま読み進めようと思う。特に書き残すこともないので、僕からは以上!