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2017年2月10日金曜日

【書評】 やっぱりヘンだよね【堀江貴文、ひろゆき】

【やっぱりヘンだよね~常識を疑えば未来が開ける~】2016年10月発行
【対談:堀江貴文×ひろゆき】


週刊プレイボーイの人気連載、「なんかヘンだよね・・・」をまとめた対談本、その続編でございます。


ホリエモンこと堀江貴文氏とひろゆきこと西村博之氏が2013年〜2016年に起こったニュースについて鋭い視点で切り込んでいます。前著でもそうでしたが、明らかな"異端児"である二人の対談なので日本の"ヘン"なところがポリポリ浮き彫りになってます。



「やっぱりヘンだよね」では、章ごとに


「働き方・教育」
「健康・食」
「メディア・スポーツ」
「IT」
「事件・若者文化」
「政治」
「経済」

について、それぞれ「ヘンだよね」が語られているのですが、ただ「ヘンだよね」といっているわけではなく、「〜すれば良いのに、しないのはヘンだよね」という視点で語られています。


今回は情報量が多いので目次ごとの解説ではなく全体を通しての感想を書き連ねてまいりますよと。はい、よーいスタート


言われたことだけやっていたら仕事がなくなるよ


もともと日本にはロボット技術や自動販売機がありましたが、人工知能の台頭やIT化によって"自動化"という部分がより顕著になるんではないかと。言われたことだけをやるってことは他者(命令する側)の予測できる範囲でのみ動くわけですから、そういった単純労働はどんどん機械に奪われていくのです。逆に人間にしか出来ない独創的な仕事だけが仕事になるんじゃないかなあ。そもそも日本人に単純労働を強いるくらいだったら人件費の安い国に工場を建設して働かせまくった方がいいわけですしね。そうだろ?え?トランプ。



トランプさんってそんな変な人じゃないよ


時事ネタと関連付けるならトランプ政策ですよね。政策……でいいんだよなあれは。この対談当時はヒラリー、トランプ両者の一騎打ち真っ只中だったわけですが、割とお二人の考え通りに物事が運んでおりますよ。トランプは各自動車メーカーに大して「アメリカに工場を立てろ。メキシコに立てるなら関税を引き上げる」と言っております。でもメーカーからしたら人件費もなにも安く済ませたいのは当然の論理であるわけで。でも、どうやらアメリカの雇用が危ぶまれている現状とアメ車が売れないのは日本やドイツのせいらしいですよ。違うだろ、アメ車がクソだから売れないんだよ……
ここめっちゃ売れてた60年代のアメ車→



そんなわけで企業がどうしたいかってところと国が、政府がどうしたいかってところを注視しておくと割と経済の動きがよく見えるようになってきます。とはいえもちろん為替レートによる不利有利はありますが………

トランプが大統領候補だった時点でお二人も言ってますが、トランプは「自国の利益に対して愚直」であると。割と政治家が蓋をしてきた問題にズバズバ切り込んでいくわけですが、デリケートな問題に対しても突っ込みすぎてしまうので波紋が広がりすぎです。マエケンのアナルか(追悼)あんま関係ないんですがここでひろゆきの口から「又吉イエス」の名前が出てます。その名を聞くのトリビアの泉以来だよ!


今民間で出来ないことなんてほとんどないよ

クールジャパンとかいうクールすぎるワードをご存知でしょうか。日本文化の発信に繋がる産業、つまり"クールジャパン"を支援している官民ファンドがベンチャーなどに1500億円を投資することを決めました。この時点でツッコミが無尽蔵に溢れ出たならば貴殿のドタマは安泰です。他にも"日本から和製スティーブ・ジョブズを輩出する"、"次のアップル、グーグル、フェイスブックを日本から出す"ってなことでベンチャーに対しての支援策を発表しました。日本はこんな魅力があるよ!日本はここが素晴らしいよ!ってのをアッピルするために国が助成金を出すわけです。助成金がもらえたらもう海外でその企業が熾烈な争いに身を投じたりはしないわけで………そしてその投資先が正しいわけがないわけで………そして今現在それが誰の目にも明らかなほどダダ滑りしてるわけで。

海外の反応とか、日本好きな海外Youtuberの動画とか観てるとわかるんですが、政府の思う日本の魅力と観光客のほしいものはまるで違ったりします。観光だけじゃないけどね、文化なんかも。ここで粗を探しても仕方がないので結論だけ言うと、政府、オメーは黙ってろってことです。官僚って国民の財布を自由自在に操ってクソみたいな事業で人形遊びするから僕嫌い!政府のぬるま湯に浸けた企業が世界と戦えるわけないのだ………


日本は斜陽国家だよ


シンガポールと中国、韓国の躍進が半端ではないです。韓国はまぁ……色々大変そうですが、中国も為替操作はどうあれあらゆる分野で活躍してますよね。んで、シンガポールなんですが、日本とけっこう似た国でありながらほとんど上位互換みたいになっちゃってます。ちょちょいと説明しますね。

まず個人単位の収入が日本より1.5倍ほど高いです。これにはお小遣いも含まれますよ。
次に税率。日本は以上に税金の種類が多く特に法人税なんかは際立って高いですが、シンガポールはアジアでも特に安いです。シンガポールは資源がないので税率を下げて海外から企業や人を呼び寄せる必要があるのですね。治安も良く、銃やドラッグも横行してませんから移住先としてはかなりの人気があります。特に日本のお金持ちは日本にいても金取られるし嫌われるしでいいことがあまりないのでシンガポールに移住してしまったりします。インフラも整ってますしIT事業も強いですから日本人向きですよねぇ。

そういやインドもいいですねぇ。もともと頭のいい人たちですからIT事業での活躍が目覚ましいです。グーグル現CEOことサンダー・ピチャイもインド出身ですね。


そんなわけでアジア諸国の活躍が目覚ましいんですが、日本はもう翳り始め………どころか、冥闇の中にいます。別に2位でもいいんですが、それすら無理なんです。

こういう現状なのに何故か日本は世界有数の先進国だと。今でも躍進に躍進を続ける世界の技術リーダーだと思ってる人が多い。それ自体が問題だと思うのです。

あんまりニュースにはならないんですが日本企業の事業売却、他国企業からの買収が目立ちます。ああ、粉飾もありましたねぇ!日本にいると日本製品ばかり手に入るのであまり実感がないのでしょう。ガラパゴス産業国家ですからそれは当然なんですが、家電売り場のトップに置かれてるのはシャオミだったりホンハイだったりハイアールだったり。中国製はだめだ!韓国製はだめだ!って言ってるのは個人の自由なんですが、何故か胸が痛みますね………

割と我が国は全体主義国家オセアニアの側面を持ってるので情報操作されがちですが、現実は現実なのでその現実だけは現実として知っておきましょう。日本は斜陽にあり、日向にあらず。


おわりに


………絶望的な話題が多かったですが本書の話題はこんな感じです。本書でも述べられてる通り大事なことは考える事、行動することです。別に本書を読んで「こいつらいつも文句言ってんな」と思うのも個人の自由ですが、考えて活かすほうがきっと"得"ですよね。



この本を読み、ホリエモン&ひろゆきの考え方やモノの見方に触れることで、自分が当たり前だと思って気にもしなかったことに疑問を持つ姿勢や、客観的視点をもつキッカケを得られるかもしれません。



常識を疑えば未来が開ける



いやはや、説得力がありますな。

2017年1月21日土曜日

【書評】そこまで言うか!【堀江、ひろゆき、勝間和代】

【そこまで言うか!】2010年発行
【堀江貴文、ひろゆき、勝間和代】


発端はこうだ。
勝間和代さんの新番組「デキビジ」にひろゆきが出演した。だが、お互い超寝不足のまま収録に望んだこともあって議論は噛み合わずピリピリムードどころではない放送となってしまった。ひろゆきの独特なトークに真正面から立ち向かう勝間さんの掛け合いはネットでも大きな反響を呼んだ。(Youtubeに動画があります)
これを知った堀江貴文氏が是非これに加わりたいと思い、その鼎談は本書のようにまとまったのである。



この厚さを見てくれ。実は本書はノーカットである。ひろゆき曰く「逆に読みづらい」が、ノーカットでもこの三人の鼎談は面白く、興味深い。
本書でわかることは、以下のとおりだ。



・「デキビジ」収録当時の状況、その後


・三人の価値観、ネット観


・悪しき既得権益


勝間和代はオタクである



そして鼎談のテーマは…………


1.インターネットの規制について


三人ともネット黎明期から活躍(暗躍?)してきたが故か、かなり本質的な議論になります。
……それもありますがネットでも割と話の種になる三人だからそれについてもお話されてます。ていうかひろゆきに関しては2ちゃんねるの管理人だったし。このテーマについては未だに各地で議論されてますよねぇ…


2.ITは世の中を良くするか?


当時孫正義が提唱していた光の道について触れます。2015年までに全世帯をブロードバンド環境にしようということです。さて、今はどうなってますかね?堀江貴文氏曰く、「光回線なんていらなくない?」


3.お金があれば幸せ?


お金とお金の持つ力と使い方について。面白いのが、拝金主義者というレッテルを貼られてる堀江貴文氏は「月7万もあれば地方で暮らせるじゃん」と言い放つんです。もともと個人的な資金はほとんど宇宙開発につぎ込んでる以上、本当にそう思って言ってるんでしょう。
日本の全体主義的な思考が民衆の価値観を一定のものにしてしまっているんじゃねぇかなと思いました。学校教育でも、風潮でも、親の教育でも、お金の本質的な価値を歪めてしまう要因なんではないかと。必死で大企業の正社員になりたがる人はもちろん安定とお金とブランドに惹かれてるわけで。じゃあその根底にあるお金が一体当人にとってどれだけの"価値"になるんでしょうかね(半ギレ無職)


4.日本文化は素晴らしい?


書店に行ってもブックオフに行っても、いつも新刊で溢れてますよね。海外ではこんなことはないです。出版できる本のハードルが全く違うんすね。それと、漫画。NARUTOやワンピースの影響で日本語を勉強し始めた外国人とかけっこう聞きます。テレビでもたまに紹介されてますしね。海を超えて日本を知ってもらうためには作品を通じてもらうほかないんじゃないかなと思います。それが日本にとっては漫画なのですね。だって映画も音楽も大したもんじゃないし……っていうかろくなもんじゃねぇし……クールジャパン(笑)

………このテーマの中で勝間さんのオタク的過去が白日のもとに晒されます。こんな人なのだなあと思うこと間違い無し。


5.起業と就職、どっちがいい?


大学生が読むと不安になるテーマです。なぜなら信じてきたものが幻想だと証明されるから。

15年間普通にサラリーマンだった勝間さん。とは言え、もう子供がいたから就職活動はしてなかったのですね。

東大なのに全然通わず有限会社オン・ザ・エッヂ設立後に大学を中退した堀江貴文氏。なんで東大を卒業して大企業に就職しなかったの?と思ったあなた。正常です。少なくとも日本国民としては。

米国でアーカンソー中央大学留学中に2ちゃんねるを開設したひろゆき。ここで英語を話せるようになったのは今につながってますよね。なんてったって4chanの管理人ですから。


………三人とも満場一致で起業を推薦。何故なら就職はネズミ講で搾取されるから。大体の人は就職の方が楽そう、起業は大変、リスクが高そうと思いますが………僕は就職して搾取され過労死し縊死し轢死するほうが幾分か不幸に見えます。日本は特別起業に向かない国ですが、IT化した今なら………?



6.政治で日本は良くなる?


ちょうど参議院選挙を終えた時期の鼎談です。勝間さんも言ってたんですが、例えば啓蒙思想のない国家足り得ない国で選挙をしたとして、それは果たして民主主義と呼べるんですかね?適切な教育と知能を持った民衆が選択することで始めて民主主義が成り立つんです。では何がクソか?金と投票率を持ってる老人に媚び愛想振りまく政治家、テメーだよテメー。これは民主主義では……ないですよね。だって医療福祉を充実させて安全に暮らしたい老人のために甘い言葉を囁やけば当選できるんですから。全く、不相変俺ら若者はなんのためにいるんですかね(半ギレ)

また、残念なことに菅直人総理がまた糾弾されてます。本書の発行は震災以前ですが、震災中も彼は全然駄目でしたよね。いや、本当に。


7.若者は日本を変えられる?


さて、老人第一主義、年功序列、全体主義、歪んだ儒教の教え、老人の暮らしを支える若者による腐敗した政治家と愉快な仲間たちこと日本ですが、若者の敵は果たして何者なんでしょうか
国の価値観をひっくり返すのはいつも革命です。アラブの春もロシア革命もキューバ革命もフランス革命も、それまでの常識を一変させたものです。要はラスボスが明確だったんですね。こいつを倒せば国は変わる!良くなる!ってね。
しかし今の日本の鬱屈とした雰囲気の根源は何でしょうか?明らかな斜陽国家であるにも関わらずどこを修理したらいいのか検討もつきません。これが厄介なもので、誰に文句を言えば良いのかすらわからんのですね。

強いて言えば既得権益。大企業がいつまでものさばり、老人が法を曲げ、検察を使役しメディアが人々の意識を掌握する。既得権益が既得権益を守ることでビッグシールドガードナーみてぇな強固な盾を作り出してるのです。とっくの昔に、生まれながらにして支配されてるのです。変な言い方ですが、僕はこの国を見せかけの資本主義、意識的な共産主義と考えています。

じゃあどうすればいいいんだよ!と思うでしょうが、本書の発行から7年後の日本は多少なりともマシになる兆しを見せています。変わらざるを得ないのです。インターネットの普及により井戸の外を知ったアラブ国家国民が革命を起こしたように、なんかおかしくね?と気づく機会は誰にでも与えられてるのです。未だにメディアは目を背けさせようと躍起になっていますが、民衆を完全にコントロールすることは不可能なのです。

なんだこの長文!?日本人の性質上、革命を起こすのは無理です。ですが、ひとりひとりの意識がじわじわと国外の常識や国内の異常に根ざしていけば、ゆっくりと変わっていくことはあると考えています。まぁ正直日本に暮らして外国の国籍を持つのが一番なんですけどね。水も飲めるし、飯は美味いし、人は親切だし、ネットはできるし。




こんなところでしょうか。なんか最後発狂したように筆が走ってしまい申し訳ない。この本、もう7年も前の本でしょ?情報古いんじゃない?と思ってましたが、そんなことはない。むしろ気付かされること、知らされること、思わされることづくしです。読む人それぞれに気付かされることがたくさんある本です。だってこの三人の鼎談だぜ?是非お手に取ってまったり読んでみてくださいね。