2017年2月24日金曜日

【雑筆】無職×プライムビデオ=最強

もし誰もがみんなネットサービスに理解があったとしたらTSUTAYAなんかは絶望的に厳しいと思います。月に1~2回TSUTAYAでDVDを借りて観る程度でも、アマゾンプライム会員になったほうが得だから。


さて、僕は意識高い系無職という本当に扱いにくい邪悪な存在なんですが、ここ数日の間にアマゾンプライム会員になったらばもう大変!読書→映画→読書→映画といった感じで無職を満喫してるのです。一応アマゾンプライム会員の特典の一つでしかないプライムビデオですが、これ一つにしても年会費3,900円は安い。一応他にはなんかアマゾンで物買う時めっちゃ安かったりプライム会員限定商品があったりマッハ配達を選べたり(あまり配達業者をいじめないでほしい、でも押しちゃう!ビクンビクン)、送料が無料だったりします。ある種で競合してる会社もあるんですが、もう打つ手がないといった感じですね。楽天?英語公用語化したんだからもちろん世界企業になってるんだろうなぁ!



なにげに嬉しいのが海外ドラマ。ウォーキング・デッドやメンタリスト、24にプリズン・ブレイク。日本のドラマとかもあるんですがあまり興味が…………アニメもあります。



ここまで褒めちぎりましたが完全無欠の最強サービスってわけでもないです。というのも、プライムビデオのラインナップがまた貧弱だったりします。例えば香港映画やゴジラ(特撮って規模で言えばないわけではないです。仮面ライダーアマゾンズもウルトラマンもあるしね)。あとは……これ特典で無料じゃないの!?ってのが割とある。なんか攻殻機動隊とかゴジラとか、そのへんは特典で無料にしたほうが絶対集客が認めると思うのですよ。各国の看板的作品は軒並み無料にしておけば広告にもなるし。これはただの愚痴だな!失敬。映画って点で言えば不満はこれぐらい。有名な映画はだいたいあるし。



そんなこんなで好きなバットマンシリーズや007シリーズ、ゴッドファーザーやレトロホラー映画を楽しんでるところでござんす。書評に疲れたら映画のレビュー、もとい感想を書き連ねることもあるかもしれません。けっこう素でおすすめなアマゾンプライム会員、プライムビデオをよろしくどうぞ。

2017年2月19日日曜日

【書評】成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈【成毛眞】

【成毛眞のスティーブ・ジョブズ超解釈】2012年3月5日刊行
【作者:成毛眞】


"ジョブズに憧れれば憧れるほどあなたは成功から遠ざかっている"というジョブズ信者のはらわたを規格外の超高温に温めそうな文言から本書は始まる。そしてそれはこの本のテーマでもある。


そう語るのは成毛眞氏。意識高い人は逆に知らないかもしれない。日本人だし。成毛眞氏のWikipediaページの情報が超極薄0.01mmぐらいしかなかったのでここで紹介させていただこう。


成毛眞氏は日本法人マイクロソフト代表取締役社長に就任したりした実業家で、現在でも様々な企業で社外取締役を務める。著書:「大人げない大人になれ!」などでも顕著な通り、子どものような人間こそが勝つという確信を核に抱いており、僕の知る限り彼もまたその一人です。また、著書:「日本人の9割に英語はいらない」でも思ったんですが割と物事をズバズバと切り込んで真髄をえぐり出して本質の話をするので綺麗事や耳障りのいい言葉を使わないです。本書で言えば、ジョブズ信者の意識高い系ヒップスターを恐るべき即死攻撃の数々で昇天させるような物言いが多いです。耳障りのいい当たり障りのないコメントよりいいですけどね。


さて、そんな成毛眞氏曰く、"日本からジョブズは生まれないし生まれる必要もない"そうである。ジョブズを造物主が如く崇める、スタバでMacを颯爽と弄る意識高い系がこれを聞いたら反論をプレゼンしてくるかも!………ふざけすぎました。2011年10月5日にジョブズが天に召されてから数ヶ月は日本はなんというかジョブズ・ブームの最中だったように記憶しています。あの時の書店、ないし古本屋に並ぶ夥しい量のジョブズ本の数々と言ったら筆舌に尽くしがたい地獄だった。だがそれは逆に言えば日本人がジョブズのような人物像を求め困窮していたんだろう。あるいはそれに準ずるリーダーを。



偶像としてのスティーブ・ジョブズ

まず、映画や伝記で描かれたジョブズはジョブズではない。偶像でありアイドルである。同じ意味である………。なんというか、まぁ、なんかそうなのである。
ステレオタイプな彼のイメージはおそらくこうだろう。奇人、天才、偉人。そしてイノベーター。イノベーションが口癖の無能も割とこういうジョブズに心酔しきっていることが多い。あ、いや、あくまで多いだけだ。
んで、こんな何者かが作り上げたジョブズ像を愛しイノベーターになりたいと宣う哀れな子羊を量産したメディアはいつものことだが大いに反省し猛省していただきたい。本書ではマイクロソフトに勤務していた成毛眞氏が彼とアップルのリアルを嫌というほど教えてくれるぞ!楽しみだな!


真の天才

実際のジョブズは偉人的でも天才的でもない。真の天才は0から1を見出す。成毛眞氏の言う天才はそんな天才、アインシュタインである。相対性理論や光量子説を提唱した紛うことなき天才である。むつかしい話だけど、相対性理論は今GPSで活かされている。地上と衛生上では時間の進む早さが違うので補正が必要なのだ。もしこの発見がなければGPSの発明すら数百年遅れたかもしれない。だが、はっきり言ってジョブズは0から1を見出したわけではない。価値を見出し市場に顧客を創造したことは言うまでもない。素晴らしい偉業だ。だが目眩を起こすほどの衝撃はなかったように思う。



本当のジョブズ

全部説明すると本の読み聞かせになってしまうのでかいつまんで話すと、はっきり言ってジョブズの打ち出した商品はすべて既存技術の寄せ集めだ。ただ、そんな在るモノを民間向けにしてみたり、なんかデザイン的に良くしてみたりした。そしてそれを美しく表現し陶酔するような言い回しで魅了する。ジョブズの真に評価するべき点はこういうところだ。彼は超有能なビジネスパーソンであったということ。あと、同僚からめちゃ嫌われたこと…………彼の悲痛な人生はiPhoneの成功がなければ全く割に合わない、苦難をミルフィーユかってぐらい重ねた人生だ。冷静になれ、どこに憧れるんだよ。タートルネック着ろ、こんちきしょー。



イノベーションを起こすために

話を本筋に戻そう。ジョブズに憧れてはいけない理由は日本人が持つ特性、性質に関わる。まず、ちょっと日本人がどんな性質を持つ民族か想像してみてほしい。次に、ジョブズがどんな人間かを思い出して欲しい。両者はかけ離れてるどころの騒ぎではない。水と油どころではない、もはや水分同士ですらない。あと、さっき言ったとおり別にジョブズはクリエイティブじゃない。仕事ができる変人である。そういう意味で日本人はイノベーターとしてのジョブズに憧れてはいけないし憧れたとしたらそれは大いなる見当違いだし憧れるくらいならさっさと目の前の仕事に取り掛かるべきである。Linux生みの親ことリーナス・トーバルズも言ってたもん!

………ではクリエイティブになるために、イノベーションを起こすためにはどうすればいいか。成毛眞氏の思う実践法がいくつかある。説明するとかなり文章が多くなるのでアフォリズム的に述べると、「変化」「子ども」「計画的偶発性」である。これらはある偶像へのアンチテーゼにもなりえる。それは何か?決まっている、安定を望む大人だ。言われた仕事をただ粛々をこなし媚び諂い定年まで養ってもらおうとする者だ!しっかりしろ、定年退職が機能したのはそもそも戦後数年だけだぞ!
イノベーションについてだが、アインシュタインはもう生まれないと思うので多くのことを見、聞き、嗅ぎ、知り、行うことだろう。昭和生まれの硬い硬い頭からはなんにも生まれないんである。これは偏見だな!すいません…


ジョブズの死から5年と少しが経った。今本書を読めばあのジョブズ・ブームとジョブズ自身を見つめ返すことができる。そしてジョブズに心底心酔する奴を全力で見下すことができる。何故ならあなたは本当のジョブズとその偉大さを知るからだ。真の創造性をテーマに懐き日々を生きれば見えなかったものがきっと見えてくるはずです。意外と綺麗に収まったぞ!是非本書をどうぞ。

2017年2月10日金曜日

【書評】 やっぱりヘンだよね【堀江貴文、ひろゆき】

【やっぱりヘンだよね~常識を疑えば未来が開ける~】2016年10月発行
【対談:堀江貴文×ひろゆき】


週刊プレイボーイの人気連載、「なんかヘンだよね・・・」をまとめた対談本、その続編でございます。


ホリエモンこと堀江貴文氏とひろゆきこと西村博之氏が2013年〜2016年に起こったニュースについて鋭い視点で切り込んでいます。前著でもそうでしたが、明らかな"異端児"である二人の対談なので日本の"ヘン"なところがポリポリ浮き彫りになってます。



「やっぱりヘンだよね」では、章ごとに


「働き方・教育」
「健康・食」
「メディア・スポーツ」
「IT」
「事件・若者文化」
「政治」
「経済」

について、それぞれ「ヘンだよね」が語られているのですが、ただ「ヘンだよね」といっているわけではなく、「〜すれば良いのに、しないのはヘンだよね」という視点で語られています。


今回は情報量が多いので目次ごとの解説ではなく全体を通しての感想を書き連ねてまいりますよと。はい、よーいスタート


言われたことだけやっていたら仕事がなくなるよ


もともと日本にはロボット技術や自動販売機がありましたが、人工知能の台頭やIT化によって"自動化"という部分がより顕著になるんではないかと。言われたことだけをやるってことは他者(命令する側)の予測できる範囲でのみ動くわけですから、そういった単純労働はどんどん機械に奪われていくのです。逆に人間にしか出来ない独創的な仕事だけが仕事になるんじゃないかなあ。そもそも日本人に単純労働を強いるくらいだったら人件費の安い国に工場を建設して働かせまくった方がいいわけですしね。そうだろ?え?トランプ。



トランプさんってそんな変な人じゃないよ


時事ネタと関連付けるならトランプ政策ですよね。政策……でいいんだよなあれは。この対談当時はヒラリー、トランプ両者の一騎打ち真っ只中だったわけですが、割とお二人の考え通りに物事が運んでおりますよ。トランプは各自動車メーカーに大して「アメリカに工場を立てろ。メキシコに立てるなら関税を引き上げる」と言っております。でもメーカーからしたら人件費もなにも安く済ませたいのは当然の論理であるわけで。でも、どうやらアメリカの雇用が危ぶまれている現状とアメ車が売れないのは日本やドイツのせいらしいですよ。違うだろ、アメ車がクソだから売れないんだよ……
ここめっちゃ売れてた60年代のアメ車→



そんなわけで企業がどうしたいかってところと国が、政府がどうしたいかってところを注視しておくと割と経済の動きがよく見えるようになってきます。とはいえもちろん為替レートによる不利有利はありますが………

トランプが大統領候補だった時点でお二人も言ってますが、トランプは「自国の利益に対して愚直」であると。割と政治家が蓋をしてきた問題にズバズバ切り込んでいくわけですが、デリケートな問題に対しても突っ込みすぎてしまうので波紋が広がりすぎです。マエケンのアナルか(追悼)あんま関係ないんですがここでひろゆきの口から「又吉イエス」の名前が出てます。その名を聞くのトリビアの泉以来だよ!


今民間で出来ないことなんてほとんどないよ

クールジャパンとかいうクールすぎるワードをご存知でしょうか。日本文化の発信に繋がる産業、つまり"クールジャパン"を支援している官民ファンドがベンチャーなどに1500億円を投資することを決めました。この時点でツッコミが無尽蔵に溢れ出たならば貴殿のドタマは安泰です。他にも"日本から和製スティーブ・ジョブズを輩出する"、"次のアップル、グーグル、フェイスブックを日本から出す"ってなことでベンチャーに対しての支援策を発表しました。日本はこんな魅力があるよ!日本はここが素晴らしいよ!ってのをアッピルするために国が助成金を出すわけです。助成金がもらえたらもう海外でその企業が熾烈な争いに身を投じたりはしないわけで………そしてその投資先が正しいわけがないわけで………そして今現在それが誰の目にも明らかなほどダダ滑りしてるわけで。

海外の反応とか、日本好きな海外Youtuberの動画とか観てるとわかるんですが、政府の思う日本の魅力と観光客のほしいものはまるで違ったりします。観光だけじゃないけどね、文化なんかも。ここで粗を探しても仕方がないので結論だけ言うと、政府、オメーは黙ってろってことです。官僚って国民の財布を自由自在に操ってクソみたいな事業で人形遊びするから僕嫌い!政府のぬるま湯に浸けた企業が世界と戦えるわけないのだ………


日本は斜陽国家だよ


シンガポールと中国、韓国の躍進が半端ではないです。韓国はまぁ……色々大変そうですが、中国も為替操作はどうあれあらゆる分野で活躍してますよね。んで、シンガポールなんですが、日本とけっこう似た国でありながらほとんど上位互換みたいになっちゃってます。ちょちょいと説明しますね。

まず個人単位の収入が日本より1.5倍ほど高いです。これにはお小遣いも含まれますよ。
次に税率。日本は以上に税金の種類が多く特に法人税なんかは際立って高いですが、シンガポールはアジアでも特に安いです。シンガポールは資源がないので税率を下げて海外から企業や人を呼び寄せる必要があるのですね。治安も良く、銃やドラッグも横行してませんから移住先としてはかなりの人気があります。特に日本のお金持ちは日本にいても金取られるし嫌われるしでいいことがあまりないのでシンガポールに移住してしまったりします。インフラも整ってますしIT事業も強いですから日本人向きですよねぇ。

そういやインドもいいですねぇ。もともと頭のいい人たちですからIT事業での活躍が目覚ましいです。グーグル現CEOことサンダー・ピチャイもインド出身ですね。


そんなわけでアジア諸国の活躍が目覚ましいんですが、日本はもう翳り始め………どころか、冥闇の中にいます。別に2位でもいいんですが、それすら無理なんです。

こういう現状なのに何故か日本は世界有数の先進国だと。今でも躍進に躍進を続ける世界の技術リーダーだと思ってる人が多い。それ自体が問題だと思うのです。

あんまりニュースにはならないんですが日本企業の事業売却、他国企業からの買収が目立ちます。ああ、粉飾もありましたねぇ!日本にいると日本製品ばかり手に入るのであまり実感がないのでしょう。ガラパゴス産業国家ですからそれは当然なんですが、家電売り場のトップに置かれてるのはシャオミだったりホンハイだったりハイアールだったり。中国製はだめだ!韓国製はだめだ!って言ってるのは個人の自由なんですが、何故か胸が痛みますね………

割と我が国は全体主義国家オセアニアの側面を持ってるので情報操作されがちですが、現実は現実なのでその現実だけは現実として知っておきましょう。日本は斜陽にあり、日向にあらず。


おわりに


………絶望的な話題が多かったですが本書の話題はこんな感じです。本書でも述べられてる通り大事なことは考える事、行動することです。別に本書を読んで「こいつらいつも文句言ってんな」と思うのも個人の自由ですが、考えて活かすほうがきっと"得"ですよね。



この本を読み、ホリエモン&ひろゆきの考え方やモノの見方に触れることで、自分が当たり前だと思って気にもしなかったことに疑問を持つ姿勢や、客観的視点をもつキッカケを得られるかもしれません。



常識を疑えば未来が開ける



いやはや、説得力がありますな。